2022/01/26
外谷さんブデブデ日記(42)
「SFマンガ傑作選」を読む。70年代を代表する傑作14編を収録とのことだが、何だか疲れるわ。一編一編は確かに傑作なのだ。メンバーも二大巨頭/手塚治虫、横山光輝を初めとしてそうそうたる面々が並んでいる。だが、纏まるといかん。ここに選ばれた名作とは、非難を承知で言うと、気取った文学趣味に侵された作品が多すぎる。これもお怒りを覚悟で言って仕舞うが、女性陣がやばい。既成の小説にはない可能性がSFにはあった。ラブストーリーにしても、SFの視点から見れば、幾らでも斬新なものが描ける筈である。確かにみな努力をしている。なのに何故疲れるのか?絵柄が似ているのは仕方がない。しかし、SF的メカを入れて、文学的なセリフを吐くコマを描いても、それではSF漫画にならんのじゃ。男性陣も含めて、ここには既成の表現を吹き飛ばすダイナミズムがない。もっと言うと、吹き飛ばそうとする意思がない。センチメンタリズムにも、叙情にもダイナミズムは必要なのですよ。SFに「安住」してはいけませんぞ、クリエイターの皆さん。と書いたが、これは50年前の作品へのいちゃもんである。現在のSF漫画はどうなのか?
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